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ライオンの件

【今回までのあらすじ】
・部屋の掃除をする
・遺物から嫌な記憶が蘇って陰鬱な気分になる
・息抜きにコンピュータを起動する
百舌Pの新作がくる
・まさにこの一週間「誰か書いてくれないかなぁ」と思っていたネタそのもので、しみじみ感じ入る
・でもいつもの百舌Pも読みたいなぁと思う
・未視聴だったことに気付き慌てて『TORI TORI TORI』を開く
・そういや未読だったなぁと『ライオンの夢』を頭から読む
・なんか4時間くらい飛んでる
・ブログ書くことにする


お陰さまで、あと半年は惰性で生きていけます。

以下、『ライオンの夢』シリーズについて長々と書くので、折り畳み。
 

ネタバレ防止のために、いつも以上に読みにくい文章で記述します。

連作短編『ライオンの夢』3.5話『TORI TORI TORI』動画説明文には

> でもまぁ基本的には雪歩だけが20才だっていう所だけおさえておけば問題はない、ような、あるような。

とありますが、シリーズ登場人物の年齢としては『TORI TORI TORI』時点で
・プロデューサ30~31歳
・律子23歳以上?
・春香21~22歳?
・雪歩20歳→21歳
・亜美真美19歳
・真16歳
・千早15歳
・美希14歳
・伊織14歳
・やよい12~13歳
・小鳥不明
くらいになるんでしょうか。
律子に関してはデビューが現在の時間軸の5年以上前(※1)ということで、他は明記されている人以外は基本的に「デビュー時が公式年齢」という暫定値。
以下、ネタバレも辞さない話が始まるので、未読の人は何日かけても良いので先に本編を読むことをお薦め致しますけれど。

※1
亜美真美と雪歩の芸歴が3年差、雪歩が16歳でデビューした年に亜美真美が15歳の中3で、会話内容から見ると亜美真美が高校生になるまでは蕪野Pが担当していて、蕪野Pが雪歩の担当になるのが18歳の時、最短で亜美真美が中3~高1まで担当していたとなるから、律子を担当していたのは最も近くて「4年前の1年以上前」。プロデューサは亜美真美より業界歴が短いから、亜美真美が中1の年に入社したとして、十年一昔と言いますが「一回り」を10年又は12年と考えれば、少なくとも1年目は律子か春香さんの担当になり、次の年に春香さんか律子の担当になるのだけれど、律子はその前からアイドルであった可能性もあるので、あくまで「5年以上前」という幅のある表記。叙述トリックは考慮していないし、年齢が明記されていない人は読み方と計算によってもう少し若くも年嵩にも出来るけど。


で、『ライオンの夢』なんですけれども。

まずこれは、『Si, Si, signorina』をPrologueとする連作短編です。ベースはSSであり、その一部が時折動画化されています。動画には立ち絵はなく、写真背景と音楽の上に、台詞と地の分が綴られる形式。
「プロローグ」というのは、内容サンプルの試供品か、好き嫌いで追い返すための防護壁か、興味を引くための羊頭か、エピローグの後に読み直す取っ掛かりであって、これ単体で読ませてどうのこうの、というものではありません。
今回の場合はエピローグの後に読み返すのが良いと思うのですが、一つ言えるならば、これは過去の話であるということ。
この話に登場する「赤いリボンの足元のおぼつかない少女」が仮に本当に春香さんだとして、ではこの5年後か6年後に彼女が何をしているのかというと、具体的に言及はされていません。もしかしたらされそうにはなったのかも知れませんが、名前は出てきてないので知りません。
「プロローグ」が本編の過去の時間軸である必要は必ずしもないし、本編と時間的連続性を持つ必要すらないのですけれど、仮に万年筆のプロデューサが蕪野Pであるとして、だとすればこれをプロローグとして据えるということは、ここが原点であるという提示と読むことも可能なのであって、この春香さんが【Aランク】になっているか、他の事務所へ移籍してそこそこのアイドル活動をしているか、引退して平和に暮らしているか、事故なり事件なりで死んでいるかによって、指針や方針、目的に大きな影響を与えていると考えるのが自然です。
とはいえ、私はこの話のエピローグを読んでいない以上、プロローグから何か考えるようなことは致しません。
ので、これに関して私の書けることはただ一言、「不安と郷愁と慕情が織り交ざった面白い雰囲気だなぁ」。

第一話 goodbye my sister
世界観を構築するのは常に双子の仕事です。
双子が不在であればその限りではありませんが、双子が状態を語るか、世界を描写するかすれば、これは他の誰が行うより明瞭に、その結果を提示します。
いかなる属性を持とうとも、いかなる成長を遂げようとも、口調が変わろうが、外見が変わろうが、思考パターンが変わろうが、一人になろうが、理不尽な吸収力でもって自身が双海亜美、双海真美であることを主張し、その主張をもって読者を説得し、自分のいる場所を確として渡すこととなるのです。
反面、双子は世界を構築するのに忙しく、「双海亜美」を演じ続け、自分の内面を見せないまま話を回すことも多々ありますが、デビューから7年、つまり『ライオンの夢』の世界観を構築し始めて7年、二十歳を手前にしてようやく子役から脱するために、それぞれが動き始めるのがこの第一話になります。
読者である所の我々がすべきことは、この7年間を読み、理解し、受け止めることと、その狂言回し、観察者、監視者としての役割からの脱却を祝うことであり、彼女達の最後の置き土産である「第一話」を楽しむことになります。
黄色いギターの亜美と黄色いバイクの真美が両端から送り出した物語を受け取り、余す所なく愛し、その上で第二話へと目を進めるのです。

第二話 Radio Time
第二話からしばらくは雪歩が物語の中心近くに立つことになります。
20歳でDランクのアイドルにとって、その行く末がどうなるかは、特に決まりきったものではありません。
沈んだままの人生は物語にはなり得ない。幸福な一生を送るか、幸福な結末を迎えるか、幸福な時期を持つか、幸福から転落するか、そうでなくとも革命の可能性を示唆するか、失敗するにしても革命の糸口を得るか、幸福になる目がなくとも一矢報いるか、報いるための矢や牙を得るか、得られなくとも夢想するか。主人公になくとも脇役に、脇役になくとも端役に、端役になくとも悪役に。それすらもない純粋小説は、自分自身にしか対応しない技術書のようなものです。
アイドルとして4年目になる雪歩は、「アイドル以外の状態である雪歩」の描写を一切省いても隙間を作らずに済むほどの情報量、そしてその密度を持っています。
過去、アイドルとしての雪歩は幸福でした。
冒頭、アイドルとしての雪歩は幸福な時間を持ちます。
勿論、敢えて描かれた幸福なんてのは、失われるために描かれるものなのだから、アイドルとしての雪歩はそれらの多くを失います。
そして第一話までで御承知置きの通り、雪歩は新しい幸福と、別の幸福の可能性を得ます。
人並みの幸せを得るためには人並みの努力が必要となりますが、この努力とは「現状を幸福だと認識する努力」です。
20歳までの雪歩はこれを十分に行い、現状に一定の満足をしてきました。
19歳の真美は自分をアイドルとして「ぎりぎり」と評しましたが、20歳までの雪歩は今のままでも、「元アイドル」となることでそれを乗り越えられると考えていました。
20歳というのは成人となる年齢で、成人というのは主観的な幸福を否定され、客観的な幸福を見せ付けねばならない年頃のことを意味します。
外在的な理由により、自分がアイドルとして「ぎりぎり」であるかどうかをはっきりと意識し、それに対して行動しなければばらない状態に追い込まれた雪歩は、行動した分だけの結果を出し、行動する分だけの道を得るわけですけれど。

第三話 satellite girls
真は後輩要素がついて犬っころみたいな子になりましたし、千早は「石を投げられて育った野良犬」みたいな子として登場します。
20歳の雪歩は犬にも慣れているつもりですから、これにも自分から近付こうとしてみせます。
折り合いをつけることによる主観的・擬似的な幸福に安住しないことを求められた雪歩は、主観的幸福のためにこれを受諾し、その気質によっても、リーダーとして、先輩として、このユニットを纏め上げ、後輩と共に進もうと動きます。
これに対し、真は信仰の対象を得てより直情的となり、甘えを見せる。
千早はというと、そう単純なものでもありません。
人並みの幸せを得るためには人並みの努力を要しますが、努力しなければ実らない程度の才能に価値はないというプロデューサはいるし、それがセルフプロデュースでも同じように考える人はいますし、自分がやりたいこと以外には何の努力もしてこなかった千早は、第三話開始当初のような状態にあります。
独りで生きてきた(或いはそのつもりの)人間が、信頼できる相手ないし安心できる場を持ってしまった場合、「もう一度これを失ってしまったら、今度こそ立ち直れなくなるのではないか」などと考えますが、実際は勿論そんなことはなく、単にかつて以上に猜疑心を強めるか、物事への関心を失うか、その両方か、が一般的な結果ですね。
再喪失のない状態を維持することが理想ですが、これは物語が先に進まなければ、どうなるかはわかりませんが、時系列と視点に沿って物語を読んできた読者にとっては、「良かったなぁ、みんな可愛いなぁ」と現状を評するのが適切な対応なのです。

幕間 TORI TORI TORI
3.5話に当たる所の『TORI TORI TORI』は、この「良かったなぁ、みんな可愛いなぁ」の余韻を得るための物語です。
幕間とはかくあるべきですね。ふあー。


先のことは先を読むまでわかりません。
先読みはつまらないので、先が出るまで待って読みましょう。
その間、私はこうしてお話を反芻しています。
本当に良い時間を頂きました。ありがたい話ですね。
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Author:藤田るいふ
ニコマスとかアイマスの話を思う存分書き綴る用のサブブログ。 たぶん期間限定なんですけど、期間自体は未定。本家

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