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マスクエの件



ようやく見たので、簡単に感想文を書きます。
以下、質疑応答形式で私の立場を示す事を以てこれを予防線とするので、どうにも相性が悪そうだと感じた方は、このエントリは読まずにお引取り下さい

Q.何故今。
A.夏が終わって、涼しくなったため。

Q.何故今まで見ていなかったのか。
A.ドラクエ4が好きすぎるから。2011年の時もですが、2007年の時も、2009年の時もそうですね。
これは定型句的な「ドラクエ4を汚すな!」ではなく、単に「FC版ドラクエ4はドラクエ4を描いた物語として完璧な存在だから、そこに付け加えられる物も、掘り下げる物もなく、それ以上優れた物語が生まれるはずがないから」です。

Q.何故今更見ようと思ったのか。
A.これがDQ4の二次創作ではなく、【アイドルマスター】【ドラゴンクエストⅣ】【ニコニコ動画】の二次創作だと伺ったため。

Q.面白かった?
A.面白かった!

以下、本編118話までのネタバレを含むため、折りたたみ。



※このエントリでは『ドラゴンクエストⅣ』を「原作」、『アイドルマスター』を「アイマス」と表記します。

書籍を長さで整理する時に、掌編・短編・中編・長編という区分けは割合便利なのですが、物語を分類する際には、これらは必ずしも適切とはいえません。
それは別に「出版社や批評家毎に「短編」や「長編」の示す原稿用紙換算枚数に、数倍から10倍もの差があるから、予め定義づけをしておかないと高確率で話が食い違い、かえって伝わりにくくなるからお前らの趣味や好みで勝手に妙な定義を増やすなボケ」という話をしているのではなく、「文章量と物語の文体には絶対的な相関関係があるわけではない」というだけの話なのです。
一般に、短編の書き方と長編の書き方はまるで違う物とされていますが、世の中には「短編を繋ぎ合わせた長編」や「長編を切り抜いた掌編」なども珍しくはなく、これらはその物語自体の長さではなく、ベースとなった尺に合わせた文体・筆致・作風で綴られます。
正直私も私自身が悪巫山戯以外で妙な定義を増やすのは甚だ遺憾なのですが、仮に尺という観点から物語の構成要素を、

series(連作)- scenario(筋書)- sequence(段落)- sentence(文)

などと区切った場合、マスクエ1章はほぼsentenceによって物語が描かれてゆきます。攻略の記憶も曖昧な状態で、プレイ動画を撮影しながら内容を当ててゆく。1章終盤では多少なりとも「1章」というscenarioを意識した、連続性のある文章構成を行っていますけれども。
2章はsequence単位の「短く纏まった起承転結」を配置する形。
3章では「3章」というまとまったscenarioで物語を並べ、4章は完全にseriesの中の一部として書いています。
マスクエ序盤はておくれPの進化の系譜である」という意見は現在のマスクエを俯瞰的に見る上で多数派とされる意見ではありますが、物語の構成形式に関していえば、これは「進化」ではなく単に「発見」程度の物でしょう。
1章見れば大体わかると思うのですが、ておくれPは本質的にseries単位の物語創作を得意とする方なのですよね。序盤は明らかに自分に向いていない文体で物語を綴っていた。
それは原作1~4章はそれぞれ、原作5章の1/10程度の分量で書くつもりだった
という当初の計画や、

ニコニコで生まれた『閣下』なるキャラをコラボレートするのが「閣下列伝」の目的です。


という製作者注釈からも見られるように、序盤は「とにかく早く5章に辿りつく」ことを目的として、ご自身の向き不向きも考えずにお話を作ってらっしゃり、中盤以降は実験と挑戦を軸に筆を進めてらしたのです。
4章以降からようやく本来の文体を扱うようになっただけで、作劇に関しては「進化」と呼ぶ程の変化はありません。元々面白い物を書ける人が、書ける書き方で書くようになったに過ぎないわけです。
ニコニコ動画という舞台や動画というメディアの性質上、読者感想や共同制作者諸氏からの影響も幾らかはあったでしょうし、演出に関しては「進化」と呼んで差し支えない変化がございましたけれども。

自分に合わない文体で、実験作を書いているだけなのに4章まで一般視聴者諸氏が物語を飽きずに見ていられたのは、或いはランキングや紹介記事を元に後発で一気見をした人が途中で投げ出さなかったのは、ひとえに「原作がドラクエ4だから」といっても過言ではありますまい。
1章から既に文章やキャラ付けの端々に魅力的な匂いを感じるとはいえ、ストーリー上のオリジナル要素は添え物に過ぎないし、コメディシーンやキャラクター描写も、所々文章の端から天賦の感性を覚えて身が震える他には特別な物もなく、マスクエ1章~4章で得た驚きや感動の総量は、全てマスクエ5章1話で流した涙の体積にも満たず、心の震えにも及びません。
これは否定的な意味ではなく、単純にメートル法による測定によるものです。
先刻からの失礼を承知で重ねますれば、1~4章は5章以降の話を理解するために、或いは伏線の存在を記憶するために視聴するものであり、『ゼノサイド』を読むために『エンダーのゲーム』を読むとか、幻水2をやるために1のバグに泣きながら107人集めたデータを削除して最初からプレイするとか、締めのおじやを楽しみに水炊きを食べるとか、つまりそういう物なのです。
1~4章はドラクエ4の二次創作であり、ドラクエ4の二次創作はドラクエ4を超えられないのですから。これも悪い意味ではなく、単純にメートル法による測定によるものです。

マスクエが始まるのは5章2話からなのでした。
第五章02で目が潤んだ理由は、確かに『アイマスクエストⅣ』が積み重ねてきた物によってだったから、やっぱり4章までも必要だったのですよね。やーやー。超面白いよ。ここから一気に。

series単位の物語構成をする人の最多数派は、まず状況Aを規定し、結末Bを仮定するものです。
結末Bへ行くまでの道筋に、条件C,D,Eを配置する。
簡単に例を示すと、えぇと、例えば、

状況A=未熟な勇者が旅に出る
結末B=魔王を倒す
条件C=ヒロインを仲間にする
条件D=共に旅に出た友人が格好良く死ぬ
条件E=長強い中ボスを激闘の末倒す

みたいなプロットを考えたとしましょう。
この際、何らかの都合で状況を途中からA'に変えることで結末か条件に変化が生まれるのですが、例えば必要性の薄い条件Dを捨てることで辻褄を合わせたりするのです。
この例では物語全体の構成に関わる大きな区分けなので、発端の状況がどうあるかなどは作者の裁量次第、せいぜい紙面の都合程度の問題しかないのですが、series単位の物語構成をする人は、長編の中で章立てされる比較的短い長さの物語についても、これと同様の構成方法を用いて話を作る「癖」があります。その場合、前章におけるちょっとした着地地点のブレが徐々に大きくなり、条件の幾つかを諦めなければ、望んだ結末に辿り着けなくなることもままあるんですね。

のですが、ておくれPがマスクエにおいて使用している構成方法は、多数派のひとつではあるのですが、上述の最多数派とは多少異なるのですね。
まず状況Aを規定し、結末B,B',B"を規定。
道筋に絶対必要な要素として条件C,D,Eを配置し、必要に応じて調整用の条件を加えつつ、TrueENDである結末Bへのルートを目指す。それが不可能であれば結末B'B"に入る。
この追加条件としてあるのが、ヒゲであったり、用心棒であったりするのですって。
どの結末に入るかは、条件をフラグのように管理しつつ実際に書きながら考えてらっしゃるとかで、お陰様で、経路の変化に合わせて結末も調整して下さっており、我々一般読者も楽しく視聴させて頂けるわけです。

フラグな。

“まさか”いらっしゃらないとは思うのですが、このエントリを読んだ後に今から視聴されるという方は、「フラグ」「まさか」「もしか」「か?」辺りをNGコメントに突っ込んでおいた方が宜しいかも知れませんね。
NG共有:中でネタバレコメントは大体消えるようなので、今から見るなら初回コメ消しはあまり必要ないと思うのですが。
狭量な方は“もしか”すると「フラグフラグうるせえよ、FLASHにフラグ管理なんかねーーーーーーよバーーーーーーカ!!!!!!」等という思いを抱かれる機会があるやも知れませんので、それを避けるためには手を打っておくのも一つの方法ではあります。関係ないコメントも大層消えるので、私は何とか我慢しておりますが。

ああそう。
マスクエはFlash MXか何かで作ってるというお話なのですが、それなりに使い比べてみた所、やはりFlashはAdobe CSの中で最もアニメーションを作るのに向いたアプリケーションだと思います。
映像を作るのに向いているのはAEですし、手軽に直感的に動画を作るならPrがおすすめですが。ノベは勿論、正直フレーム単位のダンスシンクロだけならAEよりPrの方がむしろ効率的だと思うんですけど、手に馴染んだツールがあるならそれを使う方が良いでしょーね。
閑話休題、マスクエが現在のマスクエの形になったのは、やはりFlashというツールで作られていたからこそ、という部分もあるのでしょう。
縦横時間の三次元をわかりやすく表現し、呪いのように挑戦へ、実験へと導く。
手に馴染んだ操作は徐々に人を複雑な操作へ駆り立て、パーツが増えるごとにその複雑な操作に対する心理的抵抗を排除し、わけのわからん超かっこいい演出を作らせる。

ボドゲの人とかもそうですけど、自然で美しい動きを作るためには「一つ一つのパーツを、それぞれ人間が手作業で動かす」のが一番なのですよね。
ところが、「それをする必要がない」場合、人間はそれをしたがらない。多少の美しさを犠牲にしても、楽な方法を取る。例えばクローンシステムを組んだり、変数でパターン化したりして、場合によってはそれをweb講座にしたり、プロジェクトを配布したりもするのです。
ところがFlashで動画embedする人ってのが絶対数としてあんまりいないので、Flashを使った「プレイ動画編集」なんて、元々そういう共有知識が出回っていない。適切なパーツがアクションの配布もされていない。
となると自分で作らなければならない。すると自分で作ることに慣れてしまう。
結果として、とんでもないレイヤー数を管理するドットバトルの演出や、手動操作の戦闘画面を平気で作る製作者が育つ。恐ろしい話ですし、また、ありがたい話でもあります。

ん。

あ、やっばい。
ネタバレありって書いたのに、ここまでネタバレが全然ないぞ。
これでは看板に偽りありなので、何かネタバレしますね!!!!!!!

「『閣下』なるキャラをコラボレートする」!!!!!!!!!!!!
「せっかくだからエスタークを復活させてしまおう」!!!!!!!!!!
あとなんかいろいろ!!!!!!!!!!!!!!!!!
結末へ至る途上にばら撒かれた条件の数々がいずれも強固であり、そのための準備と調整が超楽しい!!!!!
先の予想なんか一切せずに純粋に楽しんで見て、後から「こんなだったんだよ!!!!!」と提示された時のカタルシスがたーのしーい!!!!!!!!!!
いやもう本当にね、人生で最も楽しいのは「知る」楽しみだというのに、自分で「予測する」なんて馬鹿のすることだね!!!!!! 超もったいないよ!!!!!!!!!!!!!!! ケーキを焼くための小麦粉を生のまま食べちゃうみたいなものよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

せっかくなので、今回私がマイリスしたものを並べて、どうして自分がその回を気に入ったのが分析してみましょう!
連載物は特に気に入った回、何度か見返したいと思う回だけをマイリストに突っ込むのですが、私がマスクエの何に魅力を感じたのかがわかりやすくなるのではないでしょうか! では以下ざっとで!


・アイマス要素あってこそのライアンの拾い方
・積み上げた物を利用して描かれた心情の対立、理由と結果に整合性のある心情の変化
・「悲壮なやよい鳥」


・人物及び関係性の描写と、その内容
・融合の形式の提示とねえさんのねえさんっぷり
・原作設定をベースにしたオリジナルシナリオの、表情や回想による見せ方の明確さ


・3章までより厚く描かれたサブキャラの集大成要素
・ロレンス要素
・ねえさん回収と「回想」手法の回収


・装備と技、戦闘と会話による六章総決算
・バリエーションの多い「たたかう一択」でギリギリ勝てるように調整された戦闘バランス
・視点変更による前章の掘り下げ内容


・音楽の衝撃
・テンポの良い悪ふざけのようなドット戦闘
・前章までで提示されていた謎の回収


・ほぼ手作業だからこその、原作と並べて違和感のないオリジナル戦闘
・敵対状態からの良好で親密な関係性構築
・おおむね現在と連続又は呼応する形に作られた過去設定

総括するに、
・コラボ二次創作ならではの演出やシナリオ
・演出がかっこいい、バランスが熱い戦闘
・意外性があり、なおかつ整合性がある描写や伏線回収

辺りですかね。大体そんな感じですね。

あと、ここには書いていませんが、自覚している好みの部分で言えば、
・融合による口調や関係性の変化に一瞬感じる違和感と、即座に飲み込める爽快感
・音楽、状況、道具などの印象的な装置を使った、シーンの重層化
・文章以外での関連性による伏線記述や、視点人物による印象を強調することによる内心描写

とか大好きです。
一番下に貼った動画の、エスタークの中の人のグラフィックとか、それだけで半章分の衝撃がありましたもの。

んにゃー楽しかった。
このところわりと忙しかったので視聴に2週間もかかってしまい、その間新着なんかも全然見られなかったから今後追いしてる所なんですが、それでもそれだけの価値ある時間でした。
これは単なる感想文なので、特に考察や研究のようなことは致しません。
結論としては「面白かった、続きが楽しみ!」。以上になります。
といった所で、このエントリは締めさせて頂きます。

寝ます。
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藤田るいふ

Author:藤田るいふ
ニコマスとかアイマスの話を思う存分書き綴る用のサブブログ。 たぶん期間限定なんですけど、期間自体は未定。本家

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